安全配慮義務違反

弁護士岩本尚光|静岡県全域の労働災害・労災

労災事故について、会社に責任を問える可能性があります

仕事中の事故や病気について、会社の安全管理、作業手順、安全教育、保護具、長時間労働、ハラスメント対応に問題があった場合、安全配慮義務違反として損害賠償請求を検討できることがあります。

静岡県全域対応 初回相談60分無料 労災保険だけでなく会社への損害賠償も相談可能 後遺障害・死亡事故・精神疾患にも対応

労災保険の給付を受けていても、会社への損害賠償請求を別途検討できる場合があります。会社の安全管理や事故原因に疑問がある場合は、早めに証拠を整理することが重要です。

Worriesこのようなお悩みはありませんか

安全管理に問題

作業中の事故について、会社の安全管理に問題があったと思う。

保護具が不十分

安全装置や保護具が、十分に用意されていなかった。

安全教育がなかった

危険な作業なのに、安全教育や説明がなかった。

人員不足での危険作業

人員不足のまま、危険な作業をさせられた。

一つでも当てはまる場合、安全配慮義務違反に基づく損害賠償請求を検討できる可能性があります。

About安全配慮義務とは

安全配慮義務とは、使用者(会社)が、労働者の生命・身体・心身の健康を守るために必要な配慮をする義務です。基本的な考え方を整理します。

この義務は、労働契約法5条に根拠があります。会社は、単に給料を支払えばよいだけでなく、労働者が安全に働ける職場環境を整える必要があります。

安全配慮義務は、機械や設備の安全だけでなく、長時間労働、ハラスメント、精神的負荷への対応も含み得ます。

会社が必要な安全対策を怠り、その結果として労働者がけがや病気になった場合、安全配慮義務違反が問題になります。

労災保険の認定と、会社の安全配慮義務違反は、別の問題です。労災が認定されても安全配慮義務違反が当然に認められるわけではなく、逆も同様です。

※ここでの説明は一般的なものです。会社に責任があるかは、事故原因や証拠によって異なります。個別の事案については弁護士にご相談ください。

Compare労災保険と安全配慮義務違反の違い

労災保険を受けたからといって、会社への損害賠償請求が当然にできなくなるわけではありません。ただし、給付との調整が必要です。

比較項目 労災保険給付 安全配慮義務違反に基づく損害賠償請求
目的労働者の保護(保険給付)会社の責任に基づく損害の回復
請求先国(労災保険)会社(場合により元請・派遣先等)
判断する機関労働基準監督署当事者の交渉・裁判所
会社の落ち度原則として不要安全配慮義務違反の検討が必要
慰謝料原則として対象外請求を検討できる
逸失利益の扱い給付の範囲で考慮不足分の請求を検討できる
後遺障害との関係等級に応じた給付等級を前提に損害額を整理
手続労基署への申請交渉・労働審判・訴訟
弁護士に相談すべき場面申請・等級の整理責任・損害・証拠の整理と交渉

※表は横にスクロールできます。

労災保険では慰謝料が支払われないため、慰謝料や逸失利益、将来介護費などは、会社への損害賠償請求で問題になることがあります。

Typical Cases安全配慮義務違反となり得る典型例

安全装置・保護具が不十分だった

機械の安全装置、防護カバー、安全帯、ヘルメット、防護メガネ、手袋、安全靴などが十分に用意されていなかった場合です。

作業手順やマニュアルが不十分だった

危険な作業について、手順書、マニュアル、注意喚起、作業前ミーティングが不十分だった場合です。

安全教育・研修が不十分だった

危険作業の前に、必要な教育、資格確認、実地指導、危険予知訓練などが行われていなかった場合です。

危険な作業を一人で行わせた

本来複数人で行うべき作業や、監視者・誘導者が必要な作業を一人で行わせた場合です。

By Accident事故類型別の安全配慮義務違反のポイント

転落・墜落事故

足場、手すり、安全帯、親綱、作業床、開口部の養生、安全教育が問題になります。

挟まれ・巻き込まれ事故

機械の安全カバー、非常停止装置、点検中の停止措置、作業手順、複数人作業の体制が問題になります。

転倒事故

床の濡れ、段差、照明、整理整頓、滑り止め、注意表示、作業靴の指定が問題になります。

重量物運搬による腰痛・けが

人員配置、補助器具、作業姿勢、重量制限、休憩、教育、無理な作業指示が問題になります。

By Industry業種・現場別の安全配慮義務違反のポイント

建設業

高所作業、足場、重機、資材の落下、転落・墜落事故が問題になりやすい分野です。安全帯、作業手順、安全教育、元請・下請関係も確認します。

製造業・工場

機械への挟まれ・巻き込まれ、安全装置、非常停止、点検中の停止措置が問題になります。

運送・配送業

運行管理、長時間運転、休憩、荷役作業、車両整備が問題になります。

介護・福祉

移乗介助による腰痛、人員配置、補助器具、夜勤の負担が問題になります。

Key Points安全配慮義務違反が認められるためのポイント

主に次のような点を、証拠に基づいて整理します

1会社が危険を予見できたか(予見可能性)

同じような事故が過去にあった、危険な作業であることを会社が把握していた、労働者から相談や申告があったなど、会社が危険を予見できたかが問題になります。

2会社が危険を回避する措置を取れたか(結果回避可能性)

安全装置、保護具、安全教育、人員配置、作業手順の見直し、業務量調整、ハラスメント対応など、事故や病気を防ぐための措置を取れたかを確認します。

3会社が必要な措置を怠ったか

危険を把握していたのに放置した、形式的な注意だけで終わった、相談を受けたのに調査しなかったなどの事情を確認します。

4義務違反と損害に因果関係があるか

会社が必要な措置を取っていれば事故や病気を防げたか、後遺障害や死亡という結果とつながっているかを整理します。

5労働者側の過失があるか(過失相殺)

作業手順違反や不注意がある場合でも、会社の安全管理とあわせて、過失割合が問題になることがあります。

安全配慮義務違反は、事故が起きたという結果だけで当然に認められるものではありません。事故原因、会社の管理体制、証拠、医学的資料を総合的に検討する必要があります。

Contractors雇用主だけでなく、元請・派遣先の責任が問題になることもあります

原則として、雇用主が労働者に対して安全配慮義務を負います。

ただし、元請や派遣先が作業場所・設備・作業手順を管理し、実質的に指揮監督していた場合、その責任が問題になることがあります。

建設現場では、元請・下請・孫請の関係、現場責任者の指示、安全衛生協議会、作業計画が重要になります。

派遣労働では、派遣元だけでなく、派遣先の安全管理も問題になります。

個人事業主・業務委託でも、実態として指揮監督関係がある場合には、検討が必要です。

誰に請求できるかは、契約関係だけでなく、現場の実態を確認する必要があります。

Damages請求できる可能性がある損害

損害項目 内容の考え方
治療費・通院交通費労災保険でカバーされる部分と、別途問題になる部分を整理します。
休業損害事故や病気で働けなかった期間の収入減について検討します。
入通院慰謝料治療や入通院による精神的苦痛について検討します。
後遺障害慰謝料後遺障害が残ったことによる精神的苦痛について検討します。
後遺障害逸失利益将来の収入減について、労働能力喪失率や収入をもとに検討します。
死亡慰謝料・死亡逸失利益死亡事故の場合、ご本人やご遺族の損害として問題になります。
将来介護費重い後遺障害により将来介護が必要な場合、重要な損害項目になります。
装具・住宅改修・車両改造費車椅子、義肢、装具、住宅改修、車両改造などを検討します。
葬儀費用死亡事故の場合、損害として問題になることがあります。
弁護士費用・遅延損害金訴訟になった場合、一定の範囲で問題になることがあります。

※表は横にスクロールできます。

※どの損害を請求できるかは、事故内容、後遺障害の有無、会社の責任、労災給付との調整によって異なります。

労災保険と損害賠償は、二重取りにならないよう調整が必要です

  • 労災保険給付を受けても、会社への損害賠償請求を検討できる場合があります。
  • ただし、同じ損害について二重に受け取ることはできません。
  • 療養補償給付、休業補償給付、障害補償給付などは、損害賠償額から控除されることがあります。
  • 労災保険では慰謝料は支払われないため、慰謝料は会社への損害賠償請求で重要になります。
  • 特別支給金の扱いは、損害項目との関係で慎重に確認します。
  • 会社や保険会社と示談する前に、労災給付との関係を整理することが重要です。

後遺障害等級は、会社への損害賠償額にも大きく影響します

  • 治療を続けても、痛み、しびれ、可動域の制限、麻痺、視力・聴力の低下などが残る場合は、後遺障害申請を検討します。
  • 後遺障害等級は、障害補償給付だけでなく、慰謝料や逸失利益にも影響します。
  • 障害(後遺障害)診断書、画像資料、検査結果、通院経過、日常生活への支障が重要になります。
  • 「症状固定」(治療を続けても改善が見込めない状態)の時期を、慎重に確認します。
  • 等級認定に納得できない場合は、不服申立てを検討できる場合があります。
  • 会社への損害賠償請求をする場合、後遺障害等級を前提に損害額を整理することが多くあります。

For Bereaved死亡事故や過労死では、ご遺族の損害賠償請求も検討します

ご遺族からのご相談にも対応しています

労災事故や過労死により労働者が亡くなった場合、ご遺族が、労災保険給付と会社への損害賠償請求を検討できる場合があります。次のような点を、ご負担に配慮しながら整理します。

  • 遺族補償給付、葬祭料、死亡慰謝料、死亡逸失利益、葬儀費用などの検討
  • 過労死・過労自殺の場合の、労働時間、業務負荷、ハラスメント、精神疾患の経過、会社の把握状況の整理
  • ご遺族だけで会社や労基署とやり取りする負担を減らすための、弁護士によるサポート

どうか一人で、またご家族だけで抱え込まず、お気軽にご相談ください。

Evidence安全配慮義務違反で重要になる証拠・資料

会社の安全管理の状況や、事故・病気との関係を示す資料が手がかりになります。

事故状況に関する資料

事故発生状況のメモ・現場や設備の写真 事故報告書・ヒヤリハット報告書 過去の同種事故の記録

会社の安全管理に関する資料

作業手順書・安全マニュアル 安全教育資料・研修記録・保護具の支給状況 機械・設備の点検記録

やり取り・治療に関する資料

会社への報告記録・メール・LINE 目撃者・同僚の証言 診断書・診療記録・後遺障害診断書

資料が十分にそろっていない場合でも、相談の段階であきらめる必要はありません。どの資料が使えるか、どのように集めるべきかを一緒に確認します。

First Steps事故直後・治療中にやっておくとよいこと

  1. まず治療を受ける

    けがや体調不良がある場合は、早めに医療機関を受診し、仕事中の事故や業務による不調であることを伝えます。ご自身の体を最優先に。

  2. 事故状況を記録する

    いつ、どこで、どのような作業中に、何が原因で事故が起きたのかをメモします。

  3. 現場や設備の写真を残す

    可能であれば、事故現場、機械、床、足場、防護具、作業環境などの写真を残します。

  4. 会社へ報告する

    会社への報告内容、報告日時、担当者の反応を記録します。口頭だけでなく、メールなど記録に残る方法も検討します。

  5. 会社とのやり取りを保存する・労災申請を検討する・後遺症が残りそうな場合は症状を記録する・示談・合意書に署名する前に相談する

    労災申請、休業、復職、治療費、事故原因に関する会社とのやり取りを保存します。労災保険給付を受けられるか、会社が協力するかを確認します。

Before Settlement会社から示談書・合意書を提示されたら、署名前に確認しましょう

示談や合意は、一度成立すると、後から覆すことが難しくなる場合があります。署名を急がず、次の点を確認することをおすすめします。

  • 治療が終了しているか
  • 症状固定に至っているか
  • 後遺障害申請の必要がないか
  • 労災保険給付との調整ができているか
  • 休業損害・慰謝料・逸失利益が適切に計算されているか
  • 会社の責任を免除する条項が含まれていないか

署名の前に、弁護士に内容を確認することをおすすめします。判断に迷ったら、その場で署名せず、お持ち帰りください。

会社の責任を問えるか、まずは確認してみませんか

初回のご相談は60分まで無料です。事故の経緯や会社の安全対策、証拠の状況を伺い、見通しを率直にお伝えします。

Flow安全配慮義務違反相談の流れ

  1. お問い合わせ・相談予約

    お電話またはメールフォームからご連絡ください。来所のほか、オンライン相談にも対応しています。

  2. 事故・病気の内容を確認

    いつ、どこで、どのような事故・病気だったのかを伺います。

  3. 作業環境・会社の安全管理を確認

    作業環境や、会社の安全管理の状況を確認します。

  4. 証拠・医療記録・労災資料を整理

    お手元の資料を確認し、何が手がかりになるかを整理します。

  5. 安全配慮義務違反の有無を検討・労災保険給付との関係を整理・後遺障害・損害額を確認・会社・元請・派遣先など請求先を検討・交渉・労働審判・訴訟を検討・解決後の生活・仕事復帰・退職の方針を整理

    予見可能性・結果回避可能性・因果関係などの観点から検討します。労災給付と損害賠償の調整を整理します。

Merit弁護士に相談するメリット

義務違反の有無を整理

会社に安全配慮義務違反があるかを整理できます。

制度の違いを確認

労災保険と損害賠償請求の違いを確認できます。

事故原因を証拠で整理

事故原因や会社の安全管理を、証拠に基づいて整理できます。

ご相談では、事故の経緯、作業環境、会社の対応、証拠、治療状況、後遺障害、今後の生活や仕事復帰の見通しを一つひとつ確認し、依頼者の方にとって現実的によりよい解決方法を一緒に考えます。

Fee安全配慮義務違反・会社への損害賠償請求の弁護士費用

ご相談内容、事故内容、後遺障害の有無、会社の責任の程度、損害額、交渉・労働審判・訴訟の必要性により、費用は異なります。ご依頼の前に、見通しと費用をできる限り分かりやすくご説明します。

初回のご相談

60分まで無料です。ご本人だけでなく、ご家族からのご相談も承ります。

ご依頼の費用

着手金・報酬金は、ご依頼の内容(交渉、労働審判、訴訟など)によって異なります。目安は「弁護士費用」のページでご確認いただけます。

具体的な費用は、事案の内容により異なります。正式なご依頼の前に、弁護士費用と対応範囲をご説明し、ご納得いただいたうえで進めます。詳しくは「弁護士費用」のページもご覧ください。

FAQよくある質問

安全配慮義務とは何ですか?
会社が、労働者の生命・身体・心身の健康を守るために必要な配慮をする義務です。労働契約法5条に根拠があります。
労災認定されれば、安全配慮義務違反も認められますか?
そうとは限りません。労災認定と安全配慮義務違反は別の問題で、会社の落ち度(予見可能性・結果回避可能性など)を別途検討する必要があります。
労災保険を受けると会社に損害賠償請求できなくなりますか?
そうとは限りません。労災給付とは別に、会社への損害賠償請求を検討できる場合があります。ただし給付との調整が必要です。
会社にどのような落ち度があれば請求できますか?
危険を予見できたか、回避する措置を取れたか、それを怠ったか、結果との因果関係があるか、などを総合的に検討します。事情を確認したうえで判断します。
慰謝料は労災保険から支払われますか?
労災保険からは、原則として慰謝料は支払われません。慰謝料は、会社への損害賠償請求の中で検討することになります。

会社の責任を問えるか、お悩みの方へ

「労災保険だけで十分なのか知りたい」という段階でも構いません。初回のご相談は60分まで無料です。ご本人・ご家族からのご相談を承ります。

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弁護士 岩本尚光(静岡県弁護士会所属/所属:弁護士法人HOPE法律事務所)